中国語を勉強していると、最初のほうに“四声”という言葉が出てきます。
中国語の四声とはいったい何なのでしょうか? 四声の効果的な覚え方とは?
ここでは、中国語の四声について紹介します。
目次
中国語の四声ってなんのこと?
中国語の四声とは、4種類の声調(音の高低)のことを指します。
中国語には、以下主に4つの声調があります。
1.声調の種類
①第1声……高い音で始めて、そのままその音をキープします。 記号:“̄”
②第2声……低い音から高い音へと上がっていく感じです。 記号:“́”
③第3声……低い音で始めて、そのまま低い音をキープする感じです。 記号:“̌”
④第4声……上から下に下がる感じです。 記号:“̀”
⑤軽声……軽く短く発音します。 記号:なし
2.声調の使用方法
なぜ中国語には“声調”があるのでしょうか。声調は意味を区別するための音節毎の音の高低、上がり下がりです。
日本語でも、橋と箸は同じ読み方ですが、アクセントによって使い分けていますよね。
同じように中国語でも、同じ読み方の言葉であっても、声調を使って意味を判断します。
例えば、中国語で商売を意味する「买卖」と売り買いを意味する「买卖」は、同じ漢字で読み方も一緒ですが、声調が異なります。
买卖(商売)……măimai
买卖(売り買いする)……măimài
このaの上側についている“̌”や“̀”の記号が、声調を表しています。
これらを読み分けて、言葉の意味を把握します。
四声のお勧めの覚え方
声調の基本は理解できたと思いますが、「紛らわしくて覚えられない…」と感じている人もいると思います。
ここでは、おすすめの四声の覚え方を紹介します。
1.単語を音読して覚える
声調単体で覚えるのではなく、単語を音読する過程で、声調も一緒に学んでいくのもいいでしょう。
例えば、中国語で1~10を表す数字には4つの声調がすべて入っています。
◆中国語での数字表記◆
一 | yī | 六 | liù |
二 | èr | 七 | qī |
三 | sān | 八 | bā |
四 | sì | 九 | jiǔ |
五 | wǔ | 十 | shí |
これらを発音しながら、声調を学んでいくのもいいでしょう。
ただし、単語を音読する段階を踏む以前に、中国語の音声を大量に聴いて、そのイメージを聴覚記憶として持っておく必要があります。声調という言語現象は、あくまでも中国語の音の全体の一部を成す特徴に過ぎないことを理解しておいてください。
2.身体を動かしながら覚える
身体を動かしながら覚えるというのも一つの方法です。
例えばジョギングをしながら、あるいはジムで筋トレをしながら、中国語の音声を耳に流し込みます。
これは何も中国語の声調を学ぶ際に限って有効というわけではなく、全ての外国語を学ぶ際に適用することができます。
普段耳慣れない音声を聴く場合、どうしても母国語(日本語)の干渉が起こります。その干渉の影響を最小限に抑えて、学習者を学習対象言語の音韻体系に誘う最良の方法が運動なのです。
つまり、身体の特定部位の筋肉が緩むことにより、「中国語(あるいはその他の言語)の音響世界」に入り易くなります。
中国語の音の全体像を掴むことができれば、声調を理解することも容易になります。
3.声調を意識しない
逆説的になりますが、声調を意識しないのが、声調をマスターする近道です。
中国人は歌やテレビ番組の音声を聴く時も、会話をする時も特に声調を意識していません。
日本人も「声調」を意識するあまり「木を見て森を見ず」になるよりは、いっそのこと、声調のことなど忘れて、中国語の音の波に思い切って身を委ねる方が効果的かもしれません。
勉強法やコツを知ろう
「中国語を勉強したいけど、まず何から始めればいいのかわからない…という方は、中国語のおすすめの初心者向け勉強方法やコツを紹介の記事を確認してみてください。
中国語を勉強する方法を3つ紹介しているので、参考にしていただけると思います。
四声も含めて、中国語の発音の全体像を捉えよう
四声について解説しました。
中国語の発音において、四声は基礎中の基礎と言われていますが、何も四声を特別視する必要はありません。
世界には中国語の他にもたくさんの声調言語があります。例えば上海語やタイ語には5種類の声調が、広東語やベトナム語には6種類の声調があります。
中国語の音声を「正しく聞き取る」訓練を積んだ後、「体感語学の中村屋」が提唱する「リッスン&リピート」を実践すれば、四声という発音現象など、恐るるに足らずということに気付くでしょう。